多くの人が、就活の時に経験したことがある「自己分析」。
実は、大人になってからの自己分析はとても重要です。
「人生このままでいいのかな」
「今の仕事をずっと続けていくのかな」
「もっと自分の好きなことができる生き方がしたい」
こんなふうに、自分は自分の人生をどうしていきたいのか、と考えるようになるタイミングは、誰にでも訪れるものでしょう。
そこで必要になるのが「大人の自己分析」です。
ですが大人になってからの自己分析って、何からやればいいのか、何を書けばいいのかよくわからないですよね。
この記事では、大人の自己分析のやり方を、簡単なものから、じっくり考えるものまでご紹介していきます。
社会人になって、「もう1回、ちゃんと自己分析したい」と感じている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事でわかること
- 大人になってからの自己分析では、人生や仕事をよりよくするためのきっかけになる
- 自己分析ノートの内容や書き方のポイントがわかる
- 転職前に自己分析したい人向けのやり方や、自己分析をしっかりやりたい人向けの本も紹介
大人が自己分析をするメリット
大人になってから自己分析をするメリットは以下の通りです。
自分の「軸」がはっきりして選択がしやすくなる
人生において、大事な選択の場面というのはたくさんあります。
仕事の他にも、結婚、住む場所など。
その後の人生を左右するような選択を迫られる場面でも、自己分析で自分の軸が定まっていることで悩む時間が減り、また自分にとってより良い選択ができるようになります。
なりたい自分に効率よく近づける
自己分析をすると、理想のライフスタイルがイメージできたり、なりたい自分が見えて目標が明確になったりします。
そして「自分はこうなりたい」「将来はこんなことがしたい」と、言葉にして人に伝えることで、同じような志を持つ人や、アドバイスをくれる存在を見つけることができるようになります。
つまり、励まし合いながらお互いを高め合う仲間ができることで、なりたい自分に効率よく近づいていくことができるようになるのです。
仕事にやりがいを感じやすくなる
「会社の安定した給料のためだけに働いていて、仕事は楽しくない…」と、漠然とした不安やモヤモヤを抱えている人は少なくありません。
しかし、自己分析をすることで自分の得意や強みが見えてくると、その力を発揮しやすい業務を多く担当したり、環境を変えたりすることができます。
結果、成果に繋がりやすく、仕事にやりがいも感じるようになるため、より人生の充実度を高めることにも繋がります。
大人の自己分析ノートの簡単な作り方
自分の「軸」を見つけて、人生をもっと充実させるために「自己分析ノート」を作ってみましょう。
大人の自己分析ノートの作り方について以下に解説していくので、ノートとペンを用意して書き出してみてくださいね。
大人の自己分析ノートとは
大人の自己分析ノートは、過去の出来事から、今の状況や気持ちを書き出すことで整理しながら、自分の価値観や強みを分析していくノートです。
就職活動や転職活動で役に立つのはもちろん、人生の方向性を見つけて自分が今どうするべきなのかを見出して、定期的に振り返ることができます。
簡単!大人の自己分析ノートに書く内容
まずは簡単にで構わないので、各質問に対して思いついた言葉をそのまま書き出してみましょう。
①自分はどんな生き方がしたいのか?
自分らしく生きるために、ここは必ず考えたいポイントです。
例えば…
- 家族や友人に囲まれてゆっくり過ごしたい
- 都会でバリバリキャリアを積んでいきたい
- 好きなことにチャレンジし続ける人生にしていきたい
こんなふうに、生き方の理想を考えて書き出してみてください。
②やりたい仕事はどんなこと?
生きていくためには、ほとんどの場合で「仕事」をしなければいけません。
例えば…
- 好きな音楽に関われることを仕事にしたい
- チームで一緒の目標に向かうような仕事がしたい
- 内容はこだわらないからお金をたくさん稼ぐ仕事がいい
こんな風に、仕事に求めること、仕事をすることで何を得たいのかによって、仕事選びも変わってきます。
自分の人生を充実させるためには重要な選択になるので、自分の「こんな仕事がいい!」も書き出してみましょう。
③心も体も元気になれる働き方は?
自分のやりたい仕事が見えてきたら、理想の「働き方」について考えてみましょう。
いくらやりたい仕事だったとしても、残業が何時間もあったり、休みの日がほとんどとれないというような働き方だったり、無理のある働き方で体を壊してしまっては本末転倒です。
例えば…
- 自己成長ができる働き方で頑張りたい
- 趣味を謳歌できる様に働きたい
- 満員電車に乗らなくても良いリモート勤務がよい
このように、あなたにとってストレスがない理想の働き方を書き出しておきましょう。
大人の自己分析ノートを作る時のポイント
大人の自己分析ノートを作る時に、大事なポイントがあります。
自己分析ノートを作る時のポイント
- 過去の経験に縛られない
- できない、無理と思わない
- 自分の本音はこうなんだと認める
この3つは必ず守るようにして、広い視野で自己分析を進めて行ってみましょう。
「⚪︎⚪️の資格があるから、活用しなきゃ勿体無い」
「今更この歳で始めても無理だろうなあ」
このような固定概念はあなたの正確な自己分析を阻害します。
全ての枠、ルールや縛りを取っ払って、自由に考え、書き出していくことが大切です。
人生をじっくり考えたい大人の自己分析のやり方
もっとじっくり考えてみたい、という人には以下におすすめの自己分析のやり方を紹介します。
白い紙や大きめの無地のノートとお気に入りのペンを用意したら、気になるものを選んでトライしてみましょう。
それぞれ書き出したものを見返して、自分はどう生きたいのか、どんな仕事が向いているのか、理想の生活はどうなのかなどを見つけ出すのに使ってみましょう。
自分史を作る
これからの人生を考える時には、実はこれまでの人生を見つめ直すことがとても大切です。
「今」を歩いているときは足元しか見えないものです。
そこから、グッとカメラを引いて視野を広げてみると、今歩いている道は過去から未来まで、ずっと続いているということが見えてきます。
自分史を作ることで、このように自分の人生を客観視することができます。
過去に起きた挫折や、悲しい思い出、悔しいことも実は今の道に繋がっていて、必要なことだったとプラスの意味に気づけることもあります。
自分史の作り方
①よく思い出しながら、以下の質問の回答を書き出す
幼少期 | ・家族はどんな人? ・興味を持っていたことは? ・活発な子供だった? ・1番初めの記憶は? ・習い事はしてた? |
小学校時代 | ・頑張っていたことは? ・強く記憶に残っているエピソードは? ・友達の中での立ち位置は? ・仲良しの友達はどんな子だった? ・褒められたこと、怒られたことは? |
中学校時代 | ・部活動は何をしてた? ・部活を選んだ理由は? ・志望校はどうやって決めた? ・受験勉強はどのように進めた? ・クラスや部活の中ではどんな役割だった? |
高校時代 | ・高校生活で楽しかったことは? ・高校生活において悩んだことは? ・どんなアルバイトをしていた? ・影響を受けた教師や友達は? ・志望の大学はどうやって決めた? ・なぜその大学に行きたかった? |
大学時代 | ・大学ではどんな勉強をした? ・学業以外で力を入れていたことは? ・学業との両立はどのようにしていた? ・後悔している出来事はある? ・新しくできた趣味は? |
②年代ごとに振り返って、変わらない価値観や共通点、逆に変わった部分も見つけて書き出す
③自分がどんな性格なのか、どんなことに興味があるのか、どんなことが得意なのか、といったことを見つけ出す
モチベーショングラフ
頑張ったことや挫折経験などを振り返って自己分析をしようとしても、急には思い出せない、という人も多いです。
そんな人には、モチベーショングラフを使って過去を振り返ってみることをお勧めします。
自分では自覚していなかった人生のターニングポイントや、一見小さな出来事でも自分にとっては大切なきっかけになったものに気づくことができます。
「人生で頑張ったことも特に思いつかない…」
「自分の好きなもの、得意なものを聞かれてもよくわからない」
という人は、モチベーショングラフを書くことで、自分のやる気が出るポイントや、逆にやる気がなくなることについて分析してみましょう。
モチベーショングラフのやり方
①モチベーショングラフの縦軸と横軸をノートに書き写す
②各時代のモチベーションの高さに点を打ち、その時の出来事を一言メモしておく
③点同志を線で繋いで曲線にする
④曲線を元に、モチベーションの揺れ具合や特徴を言語化する
これができたらモチベーションがどんな時に上がって、どんな出来事で下がったのかなども思い出して、共通点を思い出してみましょう。
些細な出来事にも目を向けて、これまで気づけなかった自分のルーツを見つけ出してみましょう。
マインドマップ
マインドマップを使った自己分析では、一つのテーマを中心におき、連想される言葉をどんどん書き出していきます。
あらゆる角度から繰り返し考えることができ、自分の価値観や思考の癖などが見えてきます。
マインドマップのやり方
①テーマを中心に書く(今回は「自分」「仕事」などでもOK!)
②テーマからキーワードを派生させる
③「なぜ?」を繰り返して、どんどん深ぼっていく
④作成したマインドマップを見返して分析する
書かれたマインドマップを振り返ってみると、自分の強み・弱み・どんなことが好きかなどが見えてきます。
ジョハリの窓のフレームで考える
ジョハリの窓は、自分と他人の認識のズレを知って理解することで、自己理解を深めていく自己分析方法の一つです。
「盲点の窓」や「ひみつの窓」に分類された自分と他人の認識のズレを理解して、その原因を探ります。
「自分はこんな一面があるんだな」「他人からはこう見えているんだな」と他人の認識を受け入れることで「開放の窓」の領域を広げていきましょう。
自分の強み・弱みの再確認になることや、新たな自分の発見に繋がります。
ジョハリの窓のやり方
①下のジョハリの窓の表をノートに書き写す
②以下に設定した①〜⑲の性格で、自分に当てはまるものをいくつでも選ぶ。
①頭が良い、②発想力がある、③段取り力がある、④向上心がある、⑤行動よくがある、⑥表情が豊か、⑦話し上手、⑧聞き上手、⑨親切、⑩リーダー資質がある、⑪空気が読める、⑫情報通、⑬根性がある、⑭責任感がある、⑮プライドが高い、⑯自信家、⑰頑固、⑱真面目、⑲慎重
③ジョハリの窓に参加してほしい家族や知人4~8人に、①〜⑲の項目をコピーして送り、自分に当てはまると思う番号をいくつでも選んで送ってもらう
④自分が書いた番号と、他人が書いた番号が重なっていれば「開放の窓」へ記入する
⑤相手が書いていて、自分が書いていない番号は「盲点の窓」へ記入する
⑥自分が書いていて、相手が書いていない番号は「秘密の窓」へ記入する
⑦誰も書いていない番号を「未知の窓」へ記入する
⑧表を見て、自分と他人の認識の違いを確認し、自己分析をする
可能なら答えてくれた人に、なぜそう思ったのかエピソードなども聞けるとより深い自己分析に繋がります。
他己分析
他己分析では、自分が他人からどう見えているのかを聞いて自己理解を深める方法です。
1人で進める自己分析では、主観的な視点がどうしても入ってしまうため、より確実に客観的な視点を得ることができます。
なるべく「面識が深い人」「面識が浅い人」の2つのタイプの人から話を聞けることが理想です。
質問例は以下の通りです。
他己分析の質問例
- 私の第一印象は?
- 私が人より得意だなと思うことは?
- 感動したエピソードはある?
- 印象に残っている思い出は?
- 改善した方が良いところは?
- 他の人に紹介するとしたらなんて紹介する?
このような質問をしたら、なぜそう思ったのかも合わせて聞くようにしておきましょう。
他人からみたら自分ってこんなふうに見えるんだ!というのがわかることでより深い自己分析に繋げることができます。
転職を考えている大人の自己分析のやり方
自分の生き方や今の仕事など、人生を長い目でみて考えた時に「転職をした方がいいのかも…」と少しでも思う人は、転職を検討する用の自己分析にもトライしてみましょう。
転職をするときは、「今の仕事が嫌だから」「給料が高いところに行きたい」というように安易に考えるだけでは失敗する可能性もでてきます。
以下の記事を読んで、転職をするかどうかを十分に検討するきっかけにしてみてくださいね。
転職時の自己分析の目的
転職を考える時の自己分析では、応募する企業の選び方や、自分の強みの伝え方、希望する仕事内容や、労働基準などを明確にすることで、はっきりとした判断基準を作ることができます。
もちろん、「転職理由」「志望動機」「自己PR」など、書類や面接でも活かすことが可能です。
自分の軸や価値観の優先度を知って、本当に転職するべきなのか、またどんな転職先なら失敗しないのかなどを把握しておきましょう。
転職時に必要な自己分析のやり方
転職を考えたい時は、Will・Can・Mustのフレームワークで自己分析を進めてみましょう。
Will:自分は何をやりたいのか?
5年後、10年後はどうなっていたいのか、どんな人生でどんなキャリアを積みたいのか、理想のライフスタイルなどを洗い出してみましょう。
今ある環境は一旦考えずに、夢や理想を書き出してみてください。
Can:自分には何ができるのか?
どんなスキルがあって、自信があることは何か、どんな性格なのか、謙虚にならずに客観的な視点で書き出してみましょう。
最近褒められたこと、評価されたことなどを思い出してみましょう!
Must:Willを達成させるために必要な要素
将来身につけなければならないスキルや、自分に求められる仕事、今学ぶべきことなどを書き出します。
この3つの輪が重なる部分が、転職を考える時の軸になるのです。
これが今の会社で叶えられるものなのか、難しいものなのかで転職するかどうかも考えられますね。
転職時におすすめの自己分析ツール
様々な自己分析のやり方をご紹介しましたが、それぞれしっかりやると時間がかかり大変ですよね。
自己分析をする時間が取れない、もっと簡単に済ませたい、という人は以下に自己分析のおすすめツールをご紹介しますので、それぞれの特性をおさえて自分にあったものを選んでやってみてください。
ツール名 | 所要時間 (質問数) | 特徴 |
---|---|---|
エニアグラム | 1~10分 (90問/文章3択式/YesMoチャート) | 人の性格を9つの類型で捉える、心理学に基づいた性格診断。質問形態を3つの中から選べる。 |
SKIT能力診断 | 65分 (188問) | 強みや長所を理解する能力診断。時間がかかる分、質の高いフィードバックを受けられる。 |
CIY (COLOR INSIDE YURSELF) | 15分 (145問) | 性格や強みがゲーム感覚で診断できる。向いている職場や仕事のアドバイスなども解説。 |
16personalities | 23分 (60問) | その人が持つ直感や思考に関する質問を元に、人柄を詳しく知ることができる性格診断。選考時に導入する企業が増えている。 |
リクナビNEXT適職診断 | 3分 (22問) | 自分がどんな仕事がしたいのか、転職の価値観を分析。仕事内容、人間関係から休日とのバランスまで簡単に見出せる。 |
自己分析したい大人におすすめの本5選
人生に悩んだ時、自分のことを知りたいときは、じっくりと本を読んでみることで、何か答えが見つかることも多いです。
自己分析がしたいと考えている大人におすすめの本5選を以下にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版ストレングスファインダー2.0
心理学を元に性格を34の資質に分ける性格診断で、どんな仕事やポジションが向いているのかを見極める時に必要なことがわかります。
自分の強みや、それをどう活かしていけば最高の武器になるかの戦略やヒントが詰まっている一冊です。
巻末の専用コードを読み取ることでWebの診断テストを受けることができ、34のうち最も強い資質を5つ診断できます。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0
ジム・クリフトン 著 / 2420円
やりたいことの見つけ方
自分は何がしたいんだろう、と悩んだ時におすすめです。
好き、得意、大切にしたいことについて考えることで、論理的に自分が本当にやりたいことを見つけることができます。
わかりやすい文章で、何をどう考えるかはっきり明記されているので、モヤモヤしている人は読んだ後に頭がスッキリするような一冊です。
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド
八木仁平 著 / 1540円
Insight(インサイト)-いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に帰る自己認識の力
人生を良くしたいけどどうすればいいかわからないという人におすすめです。
本気で自分を変えたい人が行動に移すためのヒントが詰まっており、「自己認識」という概念を用いて解説されています。
500ページ以上のずっしりした本なので、じっくりと本を読みながら自分と向き合ってより深く自分を知りたいという人には最高の一冊になるでしょう。
insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力
ターシャ・ユーリック 著 / 2200円
チーズはどこへ消えた?
世界のトップ企業が研修テキストに採用している、変化する時代に太刀打ちするためのビジネス書。
「チーズ」は「人生で追い求めているもの」として、それを中心にした物語として描かれています。
自分の生き方について、大切な本質は何かという部分まで深く考えさせられる一冊です。
チーズはどこへ消えた?
スペンサージョンソン著 /922円
一度しかない人生をどう生きるかわかる100年カレンダー
“限りある人生の中で「いま、何をすべきか」を見つける、「人生100年時代」を生きる人のためのワークブック”。
自分が使える時間を可視化することで本音が引き出されて、今どんなことに時間を使うべきなのか、人生の軸が見つかる一冊です。
1930年〜2131年の約200年分のカレンダー上に、自分の0〜100歳に至る100年間という時間を書き込むワークが用意されているので、書き込んでじっくり自分と向き合いたいという人におすすめです。
一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー【本書スペシャルカレンダー・フレームワークDL特典付き】
大住力 著 / 1870円
まとめ
いかがでしたか。
大人になってからは、固定概念や今ある環境の常識が本心を妨げることも多いです。
ノートに書きながらじっくり考えるもよし、Webテストでサクッとタイプ診断するもよし、本を読んで色々な思考を広げるもよし。
今の自分にあった自己分析のやり方で、しっかり自分と向き合って人生をより良くしていってくださいね。