フリーランスになるには?知っておくべき手続きや事前準備をわかりやすく解説!

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フリーランスになるには?知っておくべき手続きや事前準備をわかりやすく解説!

フリーランスといえば、自由で楽しそうなイメージがありませんか?

今、日本でもフリーランスが増加傾向にありますが、何も知らずにいきなりフリーランスを目指すことはハードルが高いと言えるでしょう。

この記事では、フリーランスになってみたいなと興味を持っている人に向けて、フリーランスに必要な事前準備メリット・デメリットについて詳しく解説しています。

これを知っておけば、安心してフリーランスになる準備ができる、という内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

フリーランスとは?

フリーランスとは?

フリーランスとは、個人のスキルや経験を活かして個人で仕事を請け負ったり、サービスを提供したりすることで収入を得る働き方のことです。

フリーランス協会によると「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る 人」 と定義されています。

類似した言葉に「個人事業主」「自営業」などがあります。

その違いについてや、フリーランスの詳しい解説について知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

フリーランスは未経験・スキルなしでもなれる?

フリーランスは未経験・スキルなしでもなれる?

結論から言うと、全くの未経験からフリーランスとして活動するのはハードルが高いです。

しかし、未経験からでもスキルを身につけてフリーランスを目指すことは十分に可能です。

以下に、未経験者におすすめのスキルをご紹介しますので、「自分にスキルがない…」と感じている方はぜひチェックしてくださいね。

WEBライター

webライターとは、Webサイト上の記事を制作する仕事です。

ブログ記事、広告コンテンツ作成、専門知識を使った解説記事など、記事の内容は多岐に渡ります。

より多くの人にみてもらうために、文章力の他に、SEO対策の知識や情報収集能力が必要になります。

WEBデザイナー

Webデザイナーとは、クライアントの要望に沿ってWebサイトをより見やすく機能的なデザインを制作する仕事です。

PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールが使えることや、案件によってはHTML/CSSなどの基本的なコーディングの知識が求められます。

エンジニア

エンジニアは、IT業界で活躍する技術者で、プログラミングやシステム設計・運用など、職種によって仕事内容も様々です。

Webエンジニア、システムエンジニア、プログラマー、データサイエンティストなど、それぞれの仕事内容と自分の得意分野をすり合わせておくと良いでしょう。

動画編集

動画編集は、名前の通りに動画素材を編集することでより多くの人に見てもらえたり、売り上げに繋がったりするような動画を制作する仕事です。

市場的にも伸び続けているため、未経験でもチャレンジできる案件が多くあるのが特徴です。

SNS運用代行

SNS運用代行とは、InstagramやTikTokなどのSNSで、クライアントの代わりに投稿・運用を行う仕事です。

SNSに関する知識の他に、マーケティングスキル分析力なども必要になります。

案件によって、代行の範囲も変わってくるので、未経験でも実績を積みやすいです。

フリーランスになる前にやっておくべきこと

フリーランスになる前にやっておくべきこと

フリーランスになると、基本的には一人で業務やスケジュールの管理を行うようになります。

なんの計画もなしにフリーランスになってしまうと、1年目で失敗してしまうことになりかねません。

会社員と違って自由に選べるからこそ、責任も全て自分にあるのです。

そのため、フリーランスになる前の事前準備をしっかり進めておくようにしましょう。

キャリアプランの明確化

フリーランスとして長く活動していくなら、キャリアプランはしっかりと立てておくことが大切です。

自分が10年後どうなっていたいか、という長期目標から逆算して5年後、3年後の目標を決めることで、「今やるべきこと」がわかり、自分のを持って行動し続けることができます。

最初は案件の単価が低かったり、やりたい仕事まで辿り着けなかったりすることも多いです。

しかし、キャリアプランがあればモチベーションを保ちながら計画的にスキルアップをし続けやすくなり、理想の収入や仕事に繋がります。

とはいえ、「キャリアプランをどう考えたらいいのかよくわからない…」という人は、以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてくださいね。

専門スキルを身につける

フリーランスを目指すなら、専門的なスキルがあると非常に有利です。

フリーランスになってからスキルを身につけることもできますが、思うような報酬が得られるまでに時間がかかってしまう可能性が高いです。

そのため、会社員のうちにスキルを身につけておくことをおすすめします。

YouTubeなどでノウハウを解説しているコンテンツも多く、独学でも可能ですが、最短で確実にスキルを身につけたいならWebスキルのスクールで学ぶのが良いでしょう。

仕事探し

仕事探しにおいても、フリーランスになってから始めるのでは、最初のうちは思うような報酬に届かない可能性が高いです。

会社員のうちに仕事を探して獲得しておくことで、いざフリーランスになった時にベースができていると安心です。

むしろ退職したことで時間が増え、より業務に専念することができる、という状態ができていることが理想的と言えるでしょう。

フリーランスは人脈から仕事を獲得しているパターンも多いので、同僚や知人に前もって案件を紹介してもらうのもおすすめです。

クレジットカード作成・住宅ローン

フリーランスは、会社員と比べて社会的信用が下がる場合が多いです。

特に実績がない人の場合は、収入が不安定と見なされ、クレジットカードや住宅ローンの審査に通りにくいです。

新しくクレジットカードの作成や、住宅ローン契約を考えている場合は、会社員のうちに済ませておくことをおすすめします。

フリーランスになったらやるべきこと

フリーランスになったらやるべきこと

フリーランスになってからやるべきことを、以下に解説します。

開業届を出す

フリーランスになったら、開業届を出すことをおすすめします。

強制ではありませんが、開業届を出すことで”個人事業主”として認定され、青色申告を利用し節税できるメリットがあります。

また、クレジットカードの発行などで職業を証明する必要がある場合に、開業届の写しを求められる場合もあります。

ただし、失業手当が受けられない、扶養から外れる場合もある、というデメリットもあるので覚えておきましょう。

健康保険・年金の手続き

フリーランスになったら、”国民健康保険””国民年金”への加入手続きを行いましょう。

原則、退職日翌日から14日以内の加入が必要です。

納付する保険料は、自治体や前年度の所得によって異なります。

ただし、国民健康保険に移行すると家族分の保険料を納める必要があるため、扶養家族がいる場合は、会社の健康保険を任意継続する方がメリットが大きい場合もあります。

扶養家族の年間収入が130万円未満などの条件があるため、よく確認しておきましょう。

SNSやホームページの開設

フリーランスになったら、SNSやホームページを開設し、セルフブランディングを行うことをおすすめします。

クラウドワークスや人脈で地道に案件を獲得していく他、SNS・HPをみて興味をもったクライアントからオファーがくることもありますし、自分の作品や活動を営業でアピールする際にも活用することができます。

また、フリーランス同士の繋がりを作ることもでき、仕事を分担して協力したり、SNSでコラボしてお互いの告知ができたりなど、メリットはたくさん挙げられます。

確定申告の準備

フリーランスになったら、必ず「確定申告」を行わなければなりません。

そのためには事前準備がとても大切です。

・定期的に帳簿をつける

・領収書や取引関係の書類、各種証明書などを保管する

・青色申告を希望する場合は「所得税の青色申告承認申請書」を提出

・マイナンバーカードの取得、または税務署にてID・パスワードの取得でも可能

フリーランスが増えた今、確定申告ソフトを利用することで銀行口座やクレジットカードと連携し、簡単に行うこともできます。

確定申告の時間短縮や労力削減をしたい人は、確定申告ソフトの利用をおすすめします。

これはよかった!フリーランスのメリット

これはよかった!フリーランスのメリット

「フリーランスになってよかった」と満足度の高い、フリーランスのメリットについて以下に解説します。

働く時間や場所が自由

フリーランスになると、働く時間や場所を自分で自由に決められるというのが最大のメリットと言えるでしょう。

「フリーランス実態調査結果」においても、フリーランスの8割以上「満足・非常に満足」と回答しています。

通勤に時間をかけず近所のカフェに行っても良いですし、もちろん在宅で午後から仕事を開始しても良いのです。

最近では、パソコン1台あればどこでも仕事ができるというので、旅行にいきながら仕事をするワーケーションなども人気を集めています。

年収は自分次第で上げられる

フリーランスは、案件ごとに契約をし、成果物に対して報酬を得る働き方か、自分のサービスを立ち上げて販売し報酬を得る働き方がほとんどです。

そのため、自分次第でいくらでも年収を上げることができます。

実力で評価される世界なので、出世を待つ必要はなく若手のうちから稼げる可能性が高いです。

報酬は自分のスキルや経験に比例してくるため、実績を積んでスキルアップを目指しましょう。

やりがいのある仕事ができる

フリーランスは、自分で仕事を選ぶことができます。

上司に言われて興味のない仕事をするのではなく、数ある職種から自分で選んで、自分の得意を活かして仕事をすることが可能です。

スキルアップすると評価され、その評価がそのまま報酬にも影響するため、やりがいを持って仕事に取り組むことができます。

人間関係のストレスが少ない

フリーランスは会社や組織に属さないため、人間関係のストレスが少なくなります。

会社にいると、苦手な上司や同僚とのトラブルがあっても付き合っていく必要があります。

案件や仕事の内容にもよりますが、関わる相手は限定された期間だけのことも多く、むしろ一緒に仕事をする人を選ぶこともできます。

やめたほうがいい?フリーランスのデメリット

やめた方がいいフリーランスのデメリット

やめたほうがいいと言われる理由になりがちな、フリーランスのデメリットについて以下に解説します。

仕事とプライベートの切り替えが曖昧

フリーランスは働く場所・時間の自由度が非常に高いです。

そのため、仕事とプライベートの切り替えが曖昧になってしまう場合も多いです。

自宅を仕事場にしてしまうと特に、オンオフの区切りが付けづらくなり、仕事を長時間しすぎる、逆にオフモードで全く進まないなどの問題が起きやすいです。

自由な分、自分でスケジュール管理をしっかりする意識は持つようにしておきましょう。

収入が不安定になりやすい

フリーランスは収入の上限はありませんが、会社員のように毎月安定した収入を保証されているわけでもありません。

こなせる案件数が少なかったり、低単価の案件ばかりになってしまった時は、そのまま収入に直結してしまいます。

全ては自分次第、というのがフリーランスの最大のポイントになることは覚えておきましょう。

確定申告が必要

フリーランスになると、いち事業者として、納税手続きは自分で行わなければなりません。

会社員時代は会社が全てやってくれるため面倒な事務作業はほとんどありませんでしたが、フリーランスとして生活し続けるためには必須の作業になります。

仕事とは直接関係ない業務も日頃から意識する必要があることは覚えておきましょう。

人と関わる機会が減る

フリーランスのメリットとして人間関係のストレスが減ることを挙げていましたが、逆に人と関わる機会が減ることで孤独を感じる人もいます。

上司や同僚がおらず、1人で作業することも多いため、「今日は一言も発していないな…」なんて日もあるかもしれません。

しかし、フリーランスが増えている今、同業者のコミュニティやSNSでフリーランス同士で繋がる機会も多いです。

相談できる仲間が欲しいという人は、そこで仲間を見つけていくと良いでしょう。

フリーランスのリアルな悩み

フリーランスのリアルな悩み

フリーランスは、実際どんなことに悩みを感じているのでしょう。

中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査〜フリーランス事業者調査編」によると、約7割のフリーランスが「不安・悩みがある」と回答しています。

具体的な内容として最も多いのが「収入の不安定さ」、それから「社会保障(医療保険、年金等)」「自分の健康や気力の持続」と続いています。

また同調査において、手取り年収とのデータと照らし合わせると、”400万円未満の回答者層を中心に「不安・悩みがある」とする者の比率が高まる傾向が見られる。”とされています。

フリーランス形態で事業を営む中での不安や悩みを表した棒グラフ

中小企業庁委託「小規模事業者の事業活動の実態把握調査〜フリーランス事業者調査編」より引用

フリーランスのお金事情

フリーランスのお金事情

自由な働き方や人間関係のストレスから解放されるなど、メリットの多いフリーランスですが、リアルな悩みとして最も多いのがお金の問題です。

フリーランスの具体的なお金事情がどうなっているのか、以下に解説していきます。

フリーランスの年収

内閣官房日本経済再生総合事務局のフリーランス実態調査結果によると、「年収200万円以上300万円未満が19%と最も多い」とされています。

つまり、フリーランスを本業とする世帯主の年収が、200~300万円である割合が全体の約2割ということになります。

同時に雇用者としての年収と比べると、あまり変わらないという結果も示されていました。

フリーランスとしての年収の折れ線グラフ
内閣官房日本経済再生総合事務局のフリーランス実態調査結果より引用

しかし、同調査においてフリーランスの働き方に対して満足度が高いという結果も得られているため、収入の不安はあるものの、収入以上のものを得られたと感じている人が多いことが考えられます。

フリーランスの手取り

フリーランスは、売り上げの全てを手元に残せるわけではなく、そこから税金や社会保険料を支払う必要があります。

ここでかかる税金と、残る手取り金額は年収によっても変わってきますので、経費計上や控除の活用が重要になってきます。

正式な手取り金額の計算は以下のようになります。

売り上げ−(経費+税金+社会保険料)=手取り金額

フリーランスのざっくりとした手取り金額は以下の表にまとめたので、手っ取り早く知りたい方はこちらをご参照ください。

ただし、居住地や経費によって大きく変わる可能性があることは加味しておきましょう。

フリーランス年収フリーランス手取り差額
250万円185万円65万円
300万円220万円80万円
400万円290万円110万円
500万円360万円140万円
600万円420万円180万円
700万円470万円230万円
800万円530万円270万円
900万円600万円300万円
1,000万円650万円350万円

フリーランスの税金

フリーランス(個人事業主)が支払う税金は、以下の4種類があります。

フリーランスの税金

消費税については、開業1年目の事業者、または基準期間の課税売り上げが1000万円以下の場合においては納税義務はありません。

フリーランスの社会保険料

フリーランス(個人事業主)が支払う保険料には、以下の3種類があります。

国民健康保険料と国民年金保険料については、全てのフリーランスに加入が義務付けられているため注意しましょう。

フリーランスの社会保険料

まとめ

フリーランスになるにはのまとめ

フリーランスになるために必要なこと、なってから大事な手続きについてまとめました。

フリーランスは自由度が高い反面、責任やコントロール力も必要になります。

自分が何を大事にしていて、今後どうなっていきたいのかをよく考えた上で、しっかりと準備をして理想のフリーランスを目指せるようにしていきましょう。