「フリーランスってよく聞くけど結局どういうことなの？」

「フリーランスってどんな仕事？自営業とはどう違うの？」

ここ数年で、「フリーランス」として働く人が増え、SNSでもよく見かけるようになったと感じる人も多いのではないのでしょうか。

この記事では、フリーランスとは一体なんなのか、どんな仕事をしていてどんなメリットやデメリットがあるのかについて解説します。

フリーランスという働き方が気になっている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

フリーランスとは何？自営業との違いは？

フリーランスは何なのか、その定義と、混同されやすい「自営業」や「個人事業主」との違いについて以下に解説します。

フリーランスとは

フリーランスとは、会社などの組織には所属せず、個人で仕事を請け負う働き方のことを指します。

自分のスキルを活かして個人で仕事をする場合は、誰でも「フリーランス」を名乗ることができます。

フリーランスは仕事内容、労働時間などの自由度が高い分、”労働基準法”は適用されません。

フリーランスと個人事業主の違い

フリーランスと個人事業主の違いは、”開業届”を出しているかどうかです。

フリーランスは、単に働き方のことを指し、法的な呼称ではありません。

一方で個人事業主は、フリーランスの区分には含まれていますが、税務署に開業届を出すことで青色申告特別控除や補助金などを受けることができるようになります。

フリーランスと自営業の違い

フリーランスと自営業の違いは、”実店舗”があるかどうかです。

つまり、実店舗を持つことは大きなお金、設備が必要になるため、フリーランスの定義からは外れるということです。

一方で自営業は、独立した個人が事業を営む形態のことを指し、飲食店や事務所などの実店舗を持つ場合に当てはまります。

また、個人事業主・フリーランスの他に法人化した経営者も、自営業に分類することができます。

フリーランスの仕事一覧【35選】

フリーランスは自分のスキルや知識を活かして個人で仕事を請け負う働き方ですが、その代表的な仕事内容について、大きく7つに分類してみました。

それぞれのカテゴリにおける職種や仕事内容について以下に解説します。

ITエンジニア・技術開発系

IT人材の需要が高まる近年、ITエンジニア系フリーランスや、週末副業として活動する人が増えています。

システムエンジニア

顧客が抱える問題や課題を解決するためにどのようなシステムを作ればいいかを具体化する要件定義から、設計〜保守運用まで行います。

プログラミング言語を用いた開発スキルが必須となります。

プログラマー

システムエンジニアが設計した内容に基づき、プログラム言語を用いてソフトウェアやシステム開発を行います。

ただし、フリーランスプログラマーの場合は、設計業務も含めて、開発を担当することも多いです。

インフラ系エンジニア

企業のサーバー・ネットワークの設計〜保守運用までの管理業務全般を行います。

企業の基盤を支える重要な役割であるため、フリーランスとして働く場合には実務経験が重要視されることが多く、「実務経験⚪︎年以上」の条件がついている案件がほとんどです。

ゲームプログラマー

ゲームの仕様通りに動くようにプログラミングを行う仕事で、高い技術力が求められます。

フリーランスとして活動する場合、ゲーム業界での経験がある人や、アプリゲームの開発ができる人は重宝されています。

AIエンジニア

AIの開発や、AIを活用した新サービスの開発などを行います。

AIのアルゴリズムの理解・ソースコードの作成、修正スキルは必須で、案件にはAI開発、データ解析、画像・音声認識など様々です。

マーケティング系

マーケティング系の職種では、時代や社会の変化に応じて施策を立てていく能力が重要です。

Webマーケター

SNSやネットでのマーケティング戦略〜分析を実施し、製品やサービスの認知度向上・売り上げ拡大を目指します。

市場のトレンドをいち早くキャッチし、またWebサイトの分析・改善施策の提案なども必須のスキルになります。

Webライター

Webサイト、ブログ、SNS、電子メールなど、様々なデジタルメディアにおけるコンテンツ制作を行います、

ターゲットに響く魅力あるコンテンツを作り出すだけでなく、SEOに基づいたライティングスキルや対象分野についての知識やリサーチ力も必要です。

広報

フリーランスとしての広報は、社会に対して、企業の活動やサービス・商品を広く認知してもらい、ブランドイメージを高めるという役割があります。

具体的にはプレリリースの作成、各メディアとのネットワーク構築、危機管理対応などを行います。

データサイエンティスト

統計・アルゴリズムなどのデータサイエンスを利用してデータ分析を行います。

大量のデータを集めて分析し、その結果を業務に組み込むところまで担当します。

データサイエンティストへの需要は拡大していますが、数が少なく希少性が高いため案件数としては多い状況となっています。

ブロガー、アフィリエイター

成果報酬型の「アフィリエイト広告」を利用して、自分のブログやサイトで商品を紹介し、広告収入を得る仕事です。

そのためにはトレンドを抑えたり、情報収集を徹底したりすることで、信頼あるサイトとして評価を高めていくことが必要です。

クリエイティブ系

フリーランスとして活動する人の割合が高いのがこのクリエイティブ系です。
Web業界の拡大に伴い、需要も高まっていますが、専門スキルだけでなく、より個性やアイディアなども求められるようになっています。

Webデザイナー

クライアントが思い描くWebサイトを制作するために、より魅力が伝わるデザインや使い勝手の良さなどを踏まえて全体の構成を考えます。

小規模なWebサイト制作、バナー制作の場合は、企画、デザイン、コーディング、納品までを一人で行います。

グラフィックデザイナー

ポスターや書籍、商品パッケージなど、平面のものにデザインを制作します。

案件の企画〜印象的なデザイン制作を行い、より広告や宣伝を効果的にすることが求められます。

映像クリエイター

一つのクリエイティブ性の高い映像を制作するために、企画〜編集まで行います。

フリーランスの映像クリエイターとしての仕事は多岐に渡り、大きく分けるとプロデューサー、ディレクター、CGクリエイター、音声などに分類することができます。

イラストレーター

クライアントに依頼されたイラストを制作します。　

本や雑誌などの挿絵や、ポスター掲載、ゲームのキャラクターなど、案件は多岐に渡ります。

イラスト制作はPhotoshopやIllustratorなどを使用しデジタルで行うことがほとんどです。　

カメラマン

写真スタジオでの撮影や、結婚式、企業広告用写真などでクライアントの要望に合わせた雰囲気の写真撮影・編集を行います。

ほとんどの場合は単発で撮影の案件を受けるか、そうでなければフォトスタジオを開業したり、写真の販売を行ったりします。

コンサル系

課題を抱える企業や個人から依頼を受けて、問題解決をサポートするコンサルタント系フリーランスは、案件の単価が高い分、求められる能力も高いです。

ITコンサルタント

IT戦略や、システム導入、データ分析などに関するアドバイスや支援を提供します。

新サービスのアイディアの提案、AI技術なども求められることが多いです。

経営戦略コンサルタント

企業の経営上の課題解決を行うための、業務改革の提案やアドバイスを行います。

フリーランスコンサルタントの中でも最も報酬の高い職種ですが、それなりのネームバリューが必須になります。

SNS発信やセミナー講師などで実績を積み、名前を売っていくことが必要です。

財務・会計コンサルタント

投資戦略やコスト削減、会計業務フローの見直しなど、財務・会計分野に特化したサポートを行います。

Webコンサルタント

Webサイトの運営を、企業収益に繋がるように総合的にサポートします。

PDCAの設計、企画考案、課題解決のための施策を立てて実行します。

人事コンサルタント

給与制度、評価制度の改善から、人材能力の開発や福利厚生に関することなど、企業の人事システムについてのサポートを行います。

企業の課題に合わせ、組織改革や採用支援など、それぞれ専門分野に分かれて担当することが多いです。

接客系

接客系のフリーランスの職種は様々ありますが、代表的な5つをご紹介します。

いずれも「集客」が重要になるため、マーケティングやSNS集客の知識を同時につけることをおすすめします。

美容師

美容師フリーランスとして働くには、自分の店舗を構えるほか、業務委託、場所を借りて行うなどの方法があります。

道具を揃える必要が合ったり、場所代がかかったりすることも考慮してどんな働き方が合うかを検討してみましょう。

占い師

フリーランスの占い師は、zoomや電話でのオンライン占いやコワーキングスペースを利用して占いを行うなどの方法があります。

占いスキルの他に、コミュニケーションスキル、カウンセリングスキルなども身につけておくと良いでしょう。

カウンセラー

フリーランスのカウンセラーはクライアントの相談を聴く意外に、「対話術」「ストレスマネジメント」など、カウンセラーの知識を生かしてオンラインレッスンに繋げたり、Webサイトの記事にするライティング業務などがあります。

業務委託で企業と提携して1件ずつカウンセリングしていく方法や、クラウドソーシングを使ってオンライン上で行う方法などがあります。

営業代行

営業人材が足りないと考える企業が多い中、営業代行の需要は高くマッチングサービスも充実しています。

企業側としては、フリーランスの営業代行をはフットワークが軽く、スムーズなやりとりが可能となるメリットがあります。

パーソナルトレーナ️ー

パーソナルジムと契約をかわす業務委託、個人やチームと契約してレンタルスペースや顧客の自宅まで出張するなど、派遣的に行うやり方があります。

自分の好きなコンセプトや得意なことを売りにしてトレーニングしたいのであれば、ジムのマニュアルやルールがない方法を目指すのが良いでしょう。

経営・運営系

企業経営やサロン運営を行うフリーランスについて解説します。

ネットショップ

ネット上で商品やサービスを販売するオンラインショップの管理や運営を行います。

商品の仕入れやブランディング、マーケティング戦略などを考え、売り上げを立てるところまで実践していきます。

Webサイトへどう誘導するか、他のブランドとの差別化についても考えることが必要です。

リラクゼーションサロン

サロン設立、運営、サービスの提供など、業務は多岐に渡ります。

自宅の一部を改装してサロン運営をするやり方や、レンタルスペースにお客さんを集めるやり方などがあります。

シェアハウス

シェアハウスの運営は、一軒家のような建物で、複数人に部屋を貸すビジネスで、収益性の高さ・空室リスクの低さなどメリットが多いため個人運営にもおすすめです。

ただ、シェアハウス用の建物の選定や、リフォーム内容を決めるなど、不動産・経営の知識も必要になるため、不動産会社などのサポートを受けると安心です。

投資家・トレーダー

投資や配当だけで生活できる収入があるひとは、フリーランスと同じ扱いになります。

株式市場が開いているのが平日朝9時〜15時のため、会社員よりも常に最新の情報をキャッチし、より適切な判断をしやすいというメリットがあります。

士業

専門的な知識を有する「〜士」を称する職業群を指し、フリーランスとしての活動には高い専門性が求められます。

個人や企業が直面する問題を解決するために、自己研鑽や質の高いサービス提供が不可欠になりますが、スキル・経験に合わせて仕事を選べるという自由度の高さがあります。

インフルエンサー系

主にSNSに特化して、様々な企業の依頼を受けて宣伝活動を行います。

一定の評価を得ることができれば、商品開発やプロデュースなど、可能性は多岐に渡ります。

Instagram

通称インスタグラマーとされるInstagram運営は、ショート動画や写真などをシェアすることで、フォロワーとの関係を築き上げていきます。

そのためには一貫性のある発信や、エンゲージを高めるための戦略など、マーケティングの知識が必要になります。

スポンサー、アフィリエイト、自社商品販売など収益化の方法は様々です。

X（旧Twitter）

拡散力が高く、情報がリアルタイムで流れるXは、トレンドに敏感なユーザーが多くインフルエンサーマーケティングとして人気の舞台であり続けています。

他のSNSと比較しても、様々な業種との相性がよく、自分の発信とマッチングする企業案件が見つけやすいとも言えるでしょう。

ライバー

ライバーとは、ライブ配信を行う配信者のことで、歌、ゲーム実況、料理、メイクなど、その内容は多岐に渡ります。

収入源としては視聴者からの投げ銭がメインとなりますが、企業案件やサブスク収入なども見込めます。

YouTube

YouTuberは長尺動画やショート動画などを作成し投稿するために、魅力的なコンテンツを考え、マーケティング戦略を考える必要があります。

またYouTubeのアルゴリズムや、SEO技術を活用し、検索結果からも動画が表示されるようにすることも大切です。

収益化には広告収入、スポンサーシップなどがあります。

TikTok

YouTubeと同じ、動画投稿型のSNSで、ショート動画に特化しています。

編集は比較的容易に行うことができ、トレンドを取り入れた形式のものが多いです。

フリーランスの年収ってどのくらい？

フリーランス白書2023年によると、フリーランス850名のうち、”過去に一つの会社に所属していた経験”がある人は96.6%で、そのうち47.5%が会社員時代に比べて平均年収が上がったと回答しています。

フリーランスの年収は、その職種や、”独立系フリーランス”なのか”副業系フリーランス”なのかによっても、大きくばらつきがあります。

フリーランス白書2023年によると、年収200万円以下が19.5%、200~400万円が27.9%、400~600万円が20.9%、600万円以上が21.2％であり、年収400万円以上の回答割合が高かった職種は”エンジニア・技術開発系”と”コンサルティング系”で約8割となりました。

フリーランスのメリット

フリーランスという言葉が浸透してきた今、「なんとなく自由そう」というイメージがあるかもしれません。

フリーランスになった人たちが満足度が高いと感じたものを中心に、フリーランスのメリットをご紹介します。

収入の上限がなく、高い報酬を狙える

自分のスキルやパフォーマンス次第では、会社員よりも高い収入を得ることができます。

フリーランスは自分のやり方で仕事量や内容を決めることができるため、報酬も自分次第となります。

自分のやりたいことで仕事ができる

会社員なら、割り振られた仕事をこなすというのが一般的になります。

一方でフリーランスは、プロジェクトごとに契約を交わしたり、自分でサービスを作ったりするため、自分がやりたいかどうかで仕事内容を決めることができます。

自分に合っているのか、目標達成に繋がる仕事なのかという基準で仕事ができるので、自分の得意を発揮しながらスキルアップしていくことができます。

人間関係のストレスが少ない

フリーランスは、職種にもよりますが1人で仕事をする時間が多いです。

会社員時代では、取引先や上司など社内の人間関係で気を配る場面はたくさんあります。

一方でフリーランスは、ある程度の人との関わりはありますが、リモートワークが中心の仕事であれば人間関係でストレスを感じる機会は大幅に少なくなるでしょう。

時間・場所を選んで仕事ができる

フリーランスの1番のメリットは、就業環境が自由に設定できることにあると言っても良いでしょう。

実際、「今の働き方に対する満足度」の調査では、約8割が就業環境について満足していると回答し、最も高い割合となっています。

会社のルールに縛られることもなく、労働時間も働く場所も自分で決めることができるため、カフェやコワーキングスペース、自宅、またはワーケーションなども自由に選択できます。

フリーランスのデメリット

メリットの多いフリーランスですが、当然デメリットも存在します。

以下に解説していきます。

収入が安定し辛い

「今の働き方に対する満足度」の調査では、収入について42.4%が「不満」と回答しています。

また、会社員時代と比べて収入が「下がった」の回答も41.2％となり、半数近くの人が収入の不安定さに不安を抱えています。

実際に、フリーランスは収入の上限がないものの、逆に収入が下がる可能性もあるということは視野に入れておく必要があるでしょう。

不規則な生活リズムになりがち

フリーランスは自由度が高く就業時間もないため、人によっては不規則な生活になってしまう場合があります。

収入のために案件を取りすぎて時間に追われたり、時間を忘れて深夜まで仕事をしてしまったりすると、どうしても生活リズムが崩れてしまいます。

体調を崩しては本末転倒ですので、自分の使える時間や、業務に要する時間の目安などを把握した上でしっかりスケジュールを組むことも大切です。

社会的信用が低くなることもある

フリーランスは、収入が不安定になりやすいことからクレジットカードの契約やローンの審査に通りにくいなどのデメリットがあります。

仮審査でも、確定申告書の提出を求められることが多いため注意が必要です。

会社員からフリーランスへの転身を考えている人は、会社員のうちに審査を済ませておくと良いでしょう。

人と関わる機会が少ない人もいる

フリーランスは、自分一人で案件をこなしたり、プロジェクト進行を進めていくことが多く自由度が高いです。

しかしその分、相談する相手がいなかったり、常に一人で仕事をして、孤独に過ごす時間が増えたりすることも多いです。

孤独が好きじゃない…という人は、フリーランス仲間を作ったり、誰かと一緒に仕事ができる環境を整えたりするなどで対策することがおすすめです。

フリーランスになるには手続きが必要？

フリーランスになるために準備しておくべき手続きについてご紹介します。

開業届を提出

開業届の提出は、必須ではありませんが、事業を開始した日から1ヶ月以内の提出を定められています。

フリーランスとしての年間所得が48万円（基礎控除額）を超えた場合、または副業として20万円以上を超えた場合は確定申告が必要になります。

開業届を提出しておくことでこの確定申告において”青色申告”が利用可能になり、さらにある条件を満たすことで最大65万円の特別控除が受けられるようになるメリットがあります。

健康保険・年金関係の手続き

会社員からフリーランスになる場合、会社で加入していた健康保険から”国民健康保険”に切り替える必要があります。

手続きは自動では行われませんので、退職後14日以内に手続きを済ませるようにしましょう。

また厚生年金も国民年金に切り替わります。

フリーランスが増えすぎと言われる理由

ランサーズによる「新・フリーランス実態調査2021-2022年度版」によると、フリーランス人口は2022年時点で1577万人であり、2021年の1062万人に比較して100万人以上が１年で増加していることがわかっています。

その背景としては、2018年の「働き方改革関連法」により働き方の多様化や、副業・兼業を促進する動きが国で推奨されるようになったことが大きく挙げられます。

またコロナウイルスが流行した時期にリモートワークが急速に普及し、出社に拘らない働き方が見直され、より自由度の高いフリーランスが注目を集めたというのも一因として考えられるでしょう。

今後もフリーランスの数は増加すると予想されますが、だからこそより質の高いサービス・スキルを求められるとも言えます。

フリーランスとしての目標を実現させるためには、現状に満足せず常にスキルアップし続ける意思を持つことが大切です。

まとめ｜フリーランスとは

フリーランスとは何か、その定義からメリットデメリットなどについても解説しました。

より自由な働き方を求める人が増えている中で、もう一度自分にとって何が大切なのかを振り返って、今後について考えてみるとより良い選択に辿り着けるのではないでしょうか。