残業月45時間はきつい?ブラック企業の判断基準と対処法を紹介

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残業月45時間はきつい?ブラック企業の判断基準と対処法を紹介

「残業が多くてきつい…これが普通なのかな…」

「ブラック企業の残業時間はどのくらいなんだろう」

働き方改革が注目されるようになり、会社の残業に対する取り組みも多く見られるようになりました。

しかし、毎日毎日、会社では残業するのが日常になっていて、最近は”本当にキツイ”と思うことが多くなり、たくさん悩んでいるのではないでしょうか。

ブラック企業なのかと疑うこともあると思います。

長時間労働の改善は、自身の健康を守るためにも、働く環境を見直すことが大切です。

この記事では、ブラック企業の残業時間や見極め方、対処法までご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

企業の平均残業時間は13.5時間

企業の平均残業時間は13.5時間

企業で働く労働者の平均的な残業時間をお伝えします。

令和6年厚生労働省が毎月調査している「毎月勤労調査」によると、企業の平均残業時間は13.5時間でした。

働き方改革により少しずつ改善されているように見えますが、残業が多い会社もあるのが現実です。

ですが、働いている会社がブラックなのか判断する1つの基準となるため、覚えておくといいでしょう。

残業の定義

残業とは「時間外労働」、つまり会社が決めた所定労働時間を超えて働くことです。

また法律的には、労働基準法によると、残業とは法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働くことを時間外労働としています。

所定労働時間と法定労働時間

所定労働時間とは、会社によって異なり、就業規則などで企業が定めた労働時間です。

一方で法定労働時間とは、労働基準法で定められた労働時間(1日8時間、週40時間)です。
そのため、法定時間内でも残業と呼ばれる時間が発生する場合もあります。

残業には「法定内」「法定外」がある

残業には2つの種類があります。

例えば、同じ時間外労働でも法定時間の1日8時間を超えているか、いないかで意味が異なります。

これを踏まえて、整理してみましょう。

法定労働時間と法定外労働時間の違い

残業時間には上限がある

残業時間は、原則月45時間年間360時間と上限規制があります。

その理由は、企業は働く側に時間外労働をさせる場合は、事前に「36協定」を締結しているからです。その中で示されている時間が上記の時間です。

これは、特別な事例を除き企業は「法律の限度を超えることができない」ということです。

ブラック企業の残業時間からみるブラック度

ブラック企業の残業時間からみるブラック度

残業時間から見た会社のブラック度をご紹介します。

【月20時間以内】働きやすい|ブラック度2%

残業時間の平均ほどです。

1ヶ月あたり稼働日を20日とすると、1日あたり1時間以内の残業に相当します。
ホワイト企業と言うことができるでしょう。

帰宅後、プライベートの時間に当てることができ、休む時間も取りやすいです。

【月20時間〜30時間】疲れを感じやすくなる|ブラック度20%

1日あたり1〜1.5時間の残業に相当します。比較的ホワイト企業と言うことができます。

帰宅後もプライベートの時間がありますが、気持ちの面で負担がかかったり、体の疲れを感じやすい時が多くなったりします。

【月30時間〜月45時間】体の疲れが取れなくなる|ブラック度50%

1日あたり2時間前後の残業時間に相当します。
2時間の残業をすると、プライベートの時間はわずかにあるものの、余裕のない毎日になってきます。

ブラック企業ともホワイト企業の判断が難しいラインではありますが、企業は、労働者との間で36協定を締結しているため、その制限内であれば特に法律的には問題ありません。

ただし、頭も休まることなく、次の日になり、疲れが取れないまま溜まる状態になってきます。

【月45時間〜80時間】過労死手前|ブラック度80%

1日あたり2.5〜4時間の残業に相当します。
日常的に残業が続くようになるとブラック企業と言えるでしょう。

会社に12時間ほどいることになり、会社と自宅を往復するだけの生活になるでしょう。

休まる時間もなければ、睡眠時間も十分にとれなくなり、精神的にも鬱のような状態になることもあります。

【月80時間〜100時間】過労死レベルを超える|ブラック度98%

1日あたり4〜5時間の残業に相当します。
数ヶ月から半年続くようであれば、ブラック企業と言えるでしょう。

労働基準法によると、例外的に月45時間を超える残業をできる場合があります。

ただし、数ヶ月から半年を平均して80時間以内にするのが上限となっているので覚えておきましょう。

過労死ラインを超えている状態であり、脳や心臓疾患の発症するリスクも高くなります。

【月100時間以上】ブラック度120%

1ヶ月でも100時間を超えるような会社はブラック企業と言えるでしょう。

厚生労働省の「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」によると、以下のように定められています。

臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、 

・時間外労働 ・・・年720時間以内 

・時間外労働+休日労働 ・・・月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内 とする必要があります。  

原則である月45時間を超えることができるのは、年6か月までです。

(厚生労働省の「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」2pより引用)

ただし、上記の時間外労働に認められるのは36協定の締結ができている会社にのみ限られます。
それ以外の場合は違法の可能性が高いです。

協定を結んでいない会社、または条件を遵守していない会社はほぼ”ブラック企業”に分類されます。

残業時間を半分に減らす対処法

残業時間を半分に減らす対処法

残業時間を半分減らす方法をご紹介します。

仕事の効率化を考える

自身の仕事で効率が悪い部分を見直し、工夫すると仕事を早く終わらせることができます。

自分で見直すこともそうですし、上司や先輩が実際にしている工夫を聞けるとよりいいアドバイスがもらえるでしょう。

例えば

  • 資料作成は、テンプレートを使う
  • タスク管理アプリを使う
  • チームで進捗を共有し、仕事の分担をする

周囲の助けを求めたり、会社のツールを使ったりすると仕事を時短で終わらせることができます。

仕事の優先順位を付ける

仕事の優先度を考えることも1つの方法です。

会社は1日にさまざまな仕事をこなす必要があり、仕事の種類も重要度も様々です。

納期が早いものやクライアントとの重要な仕事に、先に取り掛かることで、定時以降に残る時間を調整しやすくなります。

正確な残業代を請求する

正確な残業代を請求することも大切です。

会社によっては、長時間働かせておいて、その分の給料を支給していない、サービス残業が発生している場合があります。

そのままにしていては、働く環境が悪くなる一方で、なにも変わりません。

企業側にも、残業時間の削減の問題を意識してもらうために、しっかり申告をして、正確な残業代を受け取りましょう。

ブラック企業に当てはまる代表的な特徴4選

ブラック企業に当てはまる代表的な特徴4選

ブラック企業の特徴は、長時間の残業時間だけではありません。

自分の会社がブラック企業の特徴にいくつ当てはまるかの基準をお伝えします。
比較しながら見てみましょう。

サービス残業が常態化している

サービス残業とは、時間外労働や休日労働をしたにも関わらず、その残業代が支払われてないことです。

ブラック企業では規定を守らずに、過酷な長時間労働が強いられている現状があります。

例えば

  • 残業代が支払われない
  • 残業時間の過少申告
  • タイムカードを切った後も仕事を任される

これは法律的に違法行為です。強要された場合は拒否したり残業代の確認を怠らないようにしましょう。

日常化している場合は、労働組合などに相談をしましょう。(相談先は下記でご紹介します。)

パワハラ・セクハラが横行している

パワハラやセクハラが横行している企業はブラック企業に多いとされています。

例えば

  • 「ーちゃん」「ー君」などと執拗に呼ばれる
  • 髪や体を触られる
  • みんなの前で些細なミスを叱責された
  • 上司やチームから無視される
  • 蹴られたり、殴られたりする

有給が上司の圧で拒否される

有給とは、労働者が心身のリフレッシュやゆとりある生活を送るために、取得できる休暇のことです。

有給を上司が許可してくれない、もしくは自分のタイミングで自由に取れないということはブラック企業の疑いがあります。

募集要項に「アットホーム」「若手が活躍」などに注意

スキルよりも意欲重視の会社には要注意です。
一見印象のいい会社に見えるかもしれませんが、具体的に書かれていない会社に注意しましょう。

スキルアップや昇進した実績を具体的に書いている会社ほど信用度が高いでしょう。

具体的に書かれている例

  • 年4回の研修制度でスキルアップを目指せる。
  • 入社3年目で主任に昇進した社員。
  • 入社5年目で係長になりました。

募集要項は、会社自身がアピールできる場所です。

抽象的に書かれている会社は、アピールポイントがないまたは欠ける場合があるので頭に入れておきましょう。

残業がきついあなたへ!ここに相談しよう5選

残業がきついあなたへ!ここに相談しよう5選

働く環境、人間関係で悩みを抱えたままにしている方に、気軽に相談できる場所をご紹介します。

労働条件相談ほっとライン

労働条件ほっとライン」は、厚生労働省が委託事業として実施している相談窓口です。

労働者・使用者に関わらず誰でも無料で全国どこからでも利用できます。
匿名でも相談でき、労働条件などの悩みや不安、疑問を相談できます。

法テラス

「法テラス」は弁護士会という、国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所です。

どこに、だれに相談していいかわからなくて悩んでいる人など、困っている方に無料で案内をしてくれます。

弁護士

弁護士は、労働者側の代理人として、会社との交渉や法的手続きをサポートすることができます。

残業代の請求や残業時間の計算、証拠集めなど幅広い対応ができるところがメリットです。

しかし、費用がかかる場合があります。一般的には30分5,000円程度が相場です。
事務所によっては初回相談が無料の場合もあるので事前に確認しておくといいです。

おすすめ相談先

退職代行サービス

退職代行サービスとは、会社を辞めたい従業員に代わって、退職の意思を会社に伝えたり、退職手続きを代行したりするサービスです。

退職を認めない、残業代未払いなど、違法行為を行うブラック企業を辞めるために利用する人が増えています。

しかし、注意が必要な場合もあります。
弁護士事務所や労働組合が運営するサービスを選んだり、料金をしっかり確認したりすると安心です。

残業時間を減らす企業の取り組みを知ろう

残業時間を減らす企業の取り組みを知ろう

残業時間を減らし、働く人を守るために企業が行っている取り組みをご紹介します。

ノー残業デー

ノー残業デーとは、会社が従業員に残業をしないで定時で退社するような日を作る取り組みです。

ワークライフバランスの目的で、週に1日、2日程度や月に2回など会社により異なりますが、その日は定時で退社をすることができます。

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、決められた期間の総労働時間を決めた上で、従業員がその範囲で始業終業を自由に決められる制度です。

例えば、11時から16時までは出勤しなければいけないが、その他の時間は早めに出勤してもよければ、残業せずすぐに退社しても構わないという制度です。

業務効率化ツールの導入

業務効率化ツールの導入とは、勤怠やタスク管理、業務可視化ツールなどを使って業務の効率をあげる目的があります。

使うことによって、残業時間の削減に繋げることができるようになります。

ブラック企業の残業時間|まとめ

ブラック企業の残業時間|まとめ

ブラック企業の残業時間や比較する目安、対処法までご紹介しました。

ブラック企業かどうかの判断は、仕事をする環境や会社の方針によって異なります。

残業時間が45時間以上で、残業代が払われていない状態の場合、ブラック企業の可能性が高いです。

他の会社と比較したい場合は、企業の口コミを見てみるのもおすすめです。

自身の体を守るためにも、働く環境を見直してみたり、相談したりすることから考えてみましょう。

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ONLYONE 編集部