「ガクチカ、ちょっとくらい盛ってもいいかな…」
「周りもみんな嘘ついてるって聞くし、正直に書いたら負ける気がする」
ガクチカを書いていて、このように迷ったことはありませんか。
特別な実績がないと、つい話を大きくしたくなるものです。
一方で、「嘘がバレたらどうしよう」「内定取消しになったら…」という不安もありますよね。
この記事では、そもそもガクチカで嘘をつくのは本当にダメなのか、ほかの就活生は盛っているのか、バレる確率はどのくらいかといった疑問に答えます。
その上で、嘘に頼らず評価されるガクチカの作り方と、すでに盛ってしまった場合の立て直し方まで解説します。
大学3年生だけでなく、これから準備を始める2年生や、選考中の4年生に向けた補足も入れているので、ぜひ参考にしてください。
ガクチカで嘘はダメ?「盛る」との境界線

結論から言うと、ガクチカで嘘をつくのはおすすめしません。
ただし、話を魅力的に見せる工夫がすべてダメなわけではありません。
事実をもとに伝え方を工夫する「盛る」と、事実ではないことを作る「嘘」は別物です。
両者の1番大きな違いは、土台に”事実があるかどうか”です。
盛る:実際の経験を、魅力が伝わるように言葉を選んで表現すること
嘘:やっていないこと・なかったことを、あったかのように書くこと
とはいえ、実際にはどのくらいの就活生が話を盛っているのでしょうか。

ガクチカで嘘をついたことがある?就活生のガクチカ事情
ここでは、調査データと就活生のリアルな声から、ガクチカの実態を見ていきます。
ガクチカで誇張・嘘をついたことがある人は約4人に1人
ガクチカで話を盛ったり、事実と違うことを書いたりする就活生は、実際どのくらいいるのでしょうか。
3つの調査結果から見ていきます。

ガクチカに「事実と異なる内容」を入れた学生は25.6%
ネオキャリアが2023年卒の大学生・大学院生242名を対象に行った調査「コロナ禍の就職・採用活動に関する実態調査「ガクチカ」編」では、25.6%の学生が「選考を有利にするために、ガクチカに事実と異なる内容を盛り込んだことがある」と回答しました。
およそ4人に1人の割合です。
学生時代の経験で嘘をついた人は約4割
Job総研が社会人3年未満の191名に行った「就活の嘘に関する実態調査」では、「面接やESで学生時代の経験を話す・書く際に嘘をついたことがある」と答えた人が38.7%にのぼりました。
ついた嘘の内容としては、「第一志望ではない企業に第一志望と答えた(48.6%)」に次いで、「ガクチカの内容を盛って話した」(27.0%)が2番目に多い結果となっています。
就活全体では約6割が嘘をついた経験あり
さらに範囲を就活全体に広げると、Synergy Careerが2024年卒の就活生108名に行った「就活で嘘をついた学生の割合に関する調査」では、59.3%が「就活中に嘘をついたことがある」と回答しています。
ただし、話した内容のうち嘘の部分は平均22.7%。多くは、部活動の戦績やアルバイトでの活躍など、実際の経験に少し脚色を加えた程度でした。
調査によって数字に差はあるものの、ガクチカを盛った経験のある就活生は決して少なくありません。
一方で、経験そのものをゼロから作り上げる人は少数派で、多くは事実をベースにした「盛り」の範囲にとどまっていることがわかります。
話を盛りたくなる背景には、「自分のガクチカに自信がない」という不安があります。
この悩みは、就活を本格的に始める前から抱えている人も多いようです。
学情が現在の大学3年生を対象に、大学2年生の時点で行った調査では、7割以上が「ガクチカ」を意識した活動をしている一方で、約9割が自分のガクチカに自信がない・自信をもてるかわからないと回答しています。
2年生の今「何もない」と焦っている人も、心配はいりません。
早くから悩んでいる分、これから経験を積み重ねる時間があります。
知恵袋・SNSに見るリアルな声
知恵袋やSNSには、ガクチカを盛るかどうかで悩む就活生の声が数多く投稿されています。
例をいくつか見ていきましょう。
ガクチカで盛るかどうか迷ってます…
選考を受ける上でマイナスイメージでもそのまま話すか、プラスイメージを持ってもらうために背景を盛るか、どちらの方が良いのでしょうか?
引用元:Yahoo!知恵袋
ガクチカがなくて困ってます。
28卒の大学生です。商社に就職したいと考えています。
私は胸を張ってこれを頑張りました!と言えるようなガクチカが全く思い当たらないです。
引用元:Yahoo!知恵袋
大学3年生です
ガクチカって結局嘘つき大会ですか?
自分の場合、バイトリーダーなんて制度そもそもないし、教育係って言っても教えるのは品出しとレジ打ちだけ、サークルは基本飲みさーで、たまにサッカーするくらい、ゼミは唯一評価sとるくらい頑張ってますが、内容は10人の小規模ゼミで、基本文学について語るだけ
TOEICも710点と外国語学部にしては、なんとも言えない点数…
引用元:Yahoo!知恵袋
このように、ガクチカに自信が持てず、盛るかどうかで迷う就活生は少なくありません。
では、なぜガクチカの嘘はNGとされるのでしょうか。
ガクチカの嘘がNGとされる3つの理由

ガクチカで嘘をつくと、選考中だけでなく入社後まで自分を苦しめることにつながる場合があります。
主な理由は次の3つです。

面接の深掘りに答えられなくなる
面接では、ガクチカについて何度も質問が重ねられます。
例えば
- なぜそれに取り組んだの?
- 具体的に何をしたの?
- 一番大変だったことは?
経験したことなら、多少緊張しても自分の言葉で答えられます。
しかし、嘘の部分はその場で話を作り続けなければならないため、質問が重なるほど答えに詰まったり、前の発言とつじつまが合わなくなったりします。
ネオキャリアの調査でも、企業が採用活動で最も重視しているのは「面接での受け答え」(52.2%)でした。
ESで立派なガクチカを書いても、面接でうまく話せなければ評価にはつながりません。
入社後にミスマッチが起きる
企業は、ガクチカから「この人は入社後どんなふうに働くか」をイメージしています。
例えば、本当は一人でコツコツ作業するのが得意なのに、「チームを引っ張ってきた」と嘘をついて評価されたとします。
その場合、入社後にリーダー役や人と関わる仕事を任され、自分に合わない環境で働き続けることになるかもしれません。
嘘で内定をもらえたとしても、苦しむのは入社後の自分自身です。
信頼を失い、内定取消しにつながることもある
嘘がバレると、そのエピソードだけでなくほかの回答まで信じてもらえなくなるおそれがあります。
就職ジャーナルが採用担当者300人に行った『【2024年版】就活で「嘘・盛った話」はアリ?採用担当者300人の本音アンケート調査』では、学生の誇張に気づいた場合、選考への影響は「ケースバイケース」が63.7%、「どちらかといえばネガティブに働く」が30.7%でした。
多少の誇張がすぐ不合格につながるとは限りませんが、3割の採用担当者はマイナスに受け止めていることがわかります。
さらに、学歴や資格など経歴に関わる嘘は、内定取消しの対象になる場合もあります。
どんな嘘が取消しにつながるのかは、下記の「内定取消しのリスクと対処法」で詳しく解説します。
ガクチカの嘘がバレる割合とタイミング

ここでは、嘘がどのくらいの割合で、どのタイミングでバレるのかを見ていきます。
採用担当者の約6割がガクチカの嘘・盛った話に気づいている
就職ジャーナルが、過去5年以内に新卒採用に関わった採用担当者300人に行った調査(2024年)では、61.0%が「ESや面接で学生の盛った話に気づいたことがある」と回答しています。
気づいたきっかけ
- 詳しく質問すると、具体的なことを答えられなかった
- 深掘りしていくうちに、話に矛盾が出てきた
- 自分の経験なのに、他人のことのように話していた
- 短期間で一人で出せる成果の範囲を明らかに超えていた

また、嘘や盛りに気づいても、その場で指摘されるとは限りません。
本人は「バレていない」と思っていても、実は評価を下げられていたということも十分にありえます。
ガクチカの嘘がバレるタイミング4つ
ガクチカの嘘は、選考のどの段階でもバレる可能性があります。
ここでは、主な4つのタイミングを紹介します。

ES提出時
ESの段階でも、嘘に気づかれることがあります。
例えば、適性検査で「慎重で内向的」という結果が出ているのに、ESには「周りをぐいぐい引っ張ってきた」というエピソードが書かれている場合。
内容に違和感を持たれやすくなります。
また、学生一人では出せないような大きすぎる成果も、読んだ時点で疑われるきっかけになります。
一次面接
一次面接では、ESに書いた内容をもとに深掘りの質問をされます。
例えば
- 具体的に何をしたの?
- なぜそうしたの?
このように聞かれたときに答えに詰まったり、ESと話がずれたりすると、嘘に気づかれやすいタイミングです。
最終面接
最終面接では、役員など多くの学生を見てきた面接官が担当することが多く、これまでの面接の内容と話が一貫しているかも見られます。
一次面接で話したことと細かい部分が変わっていたり、人柄とエピソードの印象が合っていなかったりすると、最後の最後で評価を落としてしまうことがあります。
内定後
内定が出たあとも安心はできません。
卒業証明書や成績証明書、資格の合格証など、書類の提出を求められたタイミングで、学歴や資格の嘘が発覚することがあります。
さらに、入社後の研修や仕事ぶりから「話していた内容と違う」と気づかれるケースもあります。
では、企業は具体的にどのようにしてガクチカの嘘を見抜いているのでしょうか。
企業がガクチカの嘘を見抜く理由6つ

企業がガクチカの嘘に気づけるのは、面接官の「勘」だけではありません。
面接での質問の仕方や、書類・周囲の情報との照らし合わせなど、嘘に気づきやすい仕組みがあるためです。
ここでは6つの理由と対策を紹介します。

数字や固有名詞を深掘りするから
面接官は、ガクチカに出てくる数字や固有名詞を細かく確認します。
具体的な情報ほど、実際に経験した人でないと答えられないからです。
「売上を1.5倍にした」とした場合
- 元の売上は?
- 期間は?
- 自分は何を担当した?
このような質問が続きます。
数字を盛っていると、答えるたびに話を作り足すことになり、つじつまが合わなくなります。
また、大会名や団体名などの固有名詞は、その場で調べればすぐに確認できます。
対策のポイントは、数字は根拠とセットで準備することです。
対策の例
- 記憶があいまいな数字は「約〇人」「〇割ほど」と幅を持たせる
- 「チームの成果」と「自分の担当」を分けて話せるようにする
「なぜ」「どうやって」を繰り返し質問するから
「なぜ」「どうやって」を重ねて聞かれると、経験していない部分はすぐに言葉に詰まります。
行動の理由や進め方は、実際にその場で考え、悩んだ人にしか語れないからです。
例えば「サークルの新歓で参加者を増やした」場合
- なぜその方法を選んだの?
- どうやってメンバーを巻き込んだの?
- 反対する人はいなかった?
このような質問が続きます。
本当に経験していれば、迷ったことや失敗したことも自然に出てきますが、作った話では理由や過程が浅くなり、答えがあいまいになります。
対策のポイントは、自分の行動を深掘りすることです。
対策の例
- 「なぜそれをやったのか」「なぜその方法だったのか」を自分で深掘りしておく
- うまくいかなかったことや迷ったことも、エピソードの一部として整理しておく
話すたびに内容が微妙に変わるから
ES・一次面接・最終面接と話す中で内容がぶれると、嘘を疑われるきっかけになります。
企業は、ESや過去の面接記録を手元に置いて面接に臨むため、前に話した内容と照らし合わせることができるからです。
嘘を疑われる例
- ESでは「メンバー10人をまとめた」と書いたのに、面接では「5人のチームで」と話してしまう。
- 一次面接では「自分から提案した」と言ったのに、最終面接では「先輩に言われて始めた」と話す。

こうした小さなずれでも、面接官は「どれが本当なのか」と違和感を持ちます。
実際の経験なら細部まで一貫しますが、盛った部分は記憶に残りにくく、話すたびに変わりやすいのです。
対策のポイントは、提出したESを保存し、面接前に読み返すことが重要です。
対策の例
- 企業ごとに提出したESをコピーして保存しておく
- 面接の前に読み返し、数字や役割などの事実がずれていないか確認する
卒業証明書・成績証明書で経歴を確認するから
学歴や成績、資格に関する嘘は、書類の提出で確実にバレます。
多くの企業は、選考中や内定後に卒業見込証明書や成績証明書、資格の合格証などの提出を求めるからです。
例えば、ガクチカで「ゼミで〇〇の研究に力を入れ、成績も上位だった」と話していても、成績証明書を見れば評価や履修した科目がわかります。
「留学で単位を取得した」「TOEICで〇点を取った」といった内容も、書類と照らし合わせればすぐに確認できます。
面接での受け答えと違い、書類はごまかしがききません。
こうした経歴に関わる嘘は、内定取消しにつながる可能性もあります。
詳しくは「内定取消しのリスクと対処法」で解説します。
対策のポイントは、書類に残る事実を正確に伝えることです。
対策の例
- 大学名・学部・成績・資格・スコアなど、証明書で確認できる情報は盛らない
- 成績が良くなくても、その中で工夫したことや学んだことを伝える
サークルや部活出身の社員やOBOGから伝わることもあるから
サークルや部活での役職・実績の嘘は、社内のつながりから伝わることがあります。
企業には同じ大学や同じサークル・部活出身の社員がいることも多く、話の内容が事実かどうか確認しやすいからです。
例えば「テニスサークルの代表を務めた」と話した場合、同じサークル出身の社員がいれば「その年の代表は別の人だった」とすぐにわかります。
また、OB・OG訪問で話した内容が、面接官に共有されるケースもあります。
体育会の部活では、部のつながりを通じて採用が進むこともあり、大会の成績や役職はとくに確認されやすい情報です。
対策のポイントは、役職や実績は、周りの人が聞いても納得できる内容にすることです。
対策の例
- 役職名は正式なものを使い、「副代表」「リーダー」など肩書きを盛らない
- 役職がなくても、自分が担った役割や工夫を具体的に伝える
SNSの投稿内容と話の内容にズレが出るから
SNSの投稿とガクチカの内容が食い違っていると、嘘に気づかれるきっかけになります。
選考中の学生のSNSを確認する企業もあり、投稿から当時の活動内容がわかってしまうからです。
例えば、面接で「半年間ほぼ毎日アルバイトに打ち込んだ」と話していても、同じ時期のSNSに旅行や遊びの投稿ばかり並んでいれば、話の信ぴょう性は下がります。
サークルの公式アカウントやイベントの告知ページに、話していた役職や活動実績が見当たらない場合も同様です。
近年は、企業が専門の調査会社に就活生のSNS調査を依頼するケースも増えていると報じられています。
そのため、対策のポイントは、SNSに残っている事実をもとにガクチカを組み立てることです。
対策の例
- 当時の投稿や写真を見返し、時期や活動内容を正確に思い出す材料にする
- 鍵アカウントや裏アカウントも見られる可能性があると考え、公開範囲や投稿内容を見直しておく
嘘なしで評価されるガクチカの4つの特徴

評価されるガクチカに、すごい実績は必要ありません。
採用担当者が見ているのは、成果の大きさではなく、エピソードから伝わる考え方や行動の仕方だからです。
ここでは、嘘をつかなくても評価されるガクチカの特徴を4つ紹介します。
「なぜそれをやったか」が書かれている
評価されるガクチカには、取り組んだ理由が書かれています。
行動のきっかけや動機から、その人の価値観や物事への向き合い方が伝わるからです。
| NG | OK |
|---|---|
| カフェのアルバイトで接客を頑張りました。 | 常連のお客様が少しずつ減っていることに気づき、「また来たい」と思ってもらえる店にしたいと考えて、接客の改善に取り組みました。 |
「困ったこと→やったこと」が具体的
評価されるガクチカは、直面した課題と、それに対する行動が具体的です。
困難にどう向き合ったかに、入社後の仕事ぶりが表れるからです。
| NG | OK |
|---|---|
| 課題を解決するために努力しました。 | 忙しい時間帯にお客様との会話が減り、注文を受けるだけの接客になっていました。そこで、混雑時でもひと言添えられるよう、よく来る方の好みをメモにまとめてスタッフで共有しました。 |
「自分だけの工夫」が書かれている
評価されるガクチカには、自分なりに考えた工夫が入っています。
同じような経験をした就活生が多い中で、工夫の部分にこそ、その人らしさが表れるからです。
| NG | OK |
|---|---|
| 先輩に教わった通りに接客しました。 | メモを見なくても自然に声をかけられるよう、お客様ごとに「前回の会話」をひと言で書き残すルールを提案しました。 |
「そこから何を学んだか」で締めている
評価されるガクチカは、経験から得た学びで締めくくられています。
学びを言葉にできる人は、入社後も経験を活かせる人だと判断されるからです。
| NG | OK |
|---|---|
| その結果、常連のお客様が戻ってきてうれしかったです。 | この経験から、相手の小さな変化に気づき、仕組みにして周りと共有することの大切さを学びました。入社後も、お客様の声に耳を傾けながら改善を続けたいと考えています。 |
嘘なしで評価されるガクチカの作り方4ステップ

嘘をつかなくても、手順を踏めば評価されるガクチカは作れます。
大切なのは、すごい経験を探すことではなく、自分の経験を正しく整理して伝えることです。
ここでは、嘘なしで評価されるガクチカを作る4つのステップを、印象が悪くなるNG例とあわせて紹介します。

ステップ1|やったことを全部紙に書き出す
まずは、大学生活でやったことを大小関係なくすべて書き出しましょう。
「ガクチカがない」と感じる人の多くは、経験がないのではなく、「すごいことしか書いてはいけない」と思い込んで候補を絞りすぎているだけだからです。
ネオキャリアの就職・採用活動に関する実態調査によると、就活生がガクチカで話した内容の1位は「アルバイト」(61.2%)です。
特別な経験でなくても、ガクチカの材料になります。
書き出すときは、次のような項目ごとに思い出すと漏れが少なくなります。
書き出す項目
- 学業(授業・ゼミ・研究・資格の勉強)
- アルバイト
- サークル・部活
- 趣味・習い事・ボランティア
- 日常生活で続けていること(自炊・節約・筋トレなど)

| NG | OK |
|---|---|
| 最初から「すごい経験」だけを探す 「全国大会」「リーダー経験」「売上〇倍」など、目立つ実績だけを探して「何もない」と諦めてしまう。結果として、経験を盛ったり作ったりする方向に流れやすくなります。 | 小さなことも含めて書き出す 「カフェのアルバイトを2年続けた」「常連のお客様の顔と注文を覚えるようにしていた」「新人スタッフに仕事を教えた」など、当たり前にやっていたことも含めて書き出す。 |
書き出してみて「やっぱり材料が少ない」と感じた2年生は、今からガクチカを作ることもできます。
2年生へのアドバイス!
書き出してみて「やっぱり材料が少ない」と感じた2年生は、今からガクチカを作ることもできます。
大切なのは、特別な活動を新しく始めることではありません。
アルバイトやサークル、授業など、今続けていることの中で「困っていること」や「もっと良くできそうなこと」を見つけて、自分なりに工夫してみましょう。
その経験を、ステップ2以降の手順で整理すれば、嘘のいらないガクチカになります。
ステップ2|その中で「一番頑張った・困った」出来事を1つ選ぶ
書き出した中から、「一番頑張ったこと」または「一番困ったこと」を1つ選びましょう。
本気で取り組んだ経験や壁にぶつかった経験ほど、自分の考えや行動を具体的に語れるからです。
選ぶときは、実績の大きさではなく、次の2つを基準にしてみてください。
2つの基準
- 「なぜ頑張ったのか」「どう乗り越えたのか」を自分の言葉で説明できるか
- 当時の気持ちや迷ったことを、具体的に思い出せるか
| NG | OK |
|---|---|
| 実績が一番すごく見えるものを選ぶ 少しだけ関わった大きなイベントや、チームの成果が目立つ経験を選んでしまう。自分の役割が小さいため、話を盛らないとアピールできず、深掘りされると答えに詰まります。 | 自分が一番悩んで動いたものを選ぶ 「カフェのアルバイトで、常連のお客様が減っていることに悩み、接客の仕方を見直した経験」のように、成果は小さくても、自分が考えて行動した経験を選ぶ。 |
ステップ3|「課題→自分の行動→結果→学び」の順で具体的に書く
選んだ出来事は、「課題→自分の行動→結果→学び」の順に並べて書きましょう。
この順番で書くと話の流れが自然になり、読み手があなたの考え方と行動を理解しやすくなるからです。
書くときは、「頑張った」「努力した」などのあいまいな言葉を、実際にとった行動に置き換えるのがポイントです。
| あいまいな言葉 | 具体的な行動に置き換える |
|---|---|
| コミュニケーション力を活かした | 毎回ひと言、お客様に声をかけるようにした |
| チームをまとめた | 週1回、スタッフ動詞で気づいたことを共有する時間を作った |
| 積極的に取り組んだ | 自分から店長に改善案を提案した |
| NG | OK |
|---|---|
| あいまいな言葉だけで書く 「アルバイトでコミュニケーション力を活かし、お店の課題解決に積極的に取り組みました。その結果、お店に貢献でき、大きく成長できました。」 → 何をしたのかが見えず、面接官は評価のしようがありません。 | 4つの要素を具体的に書く 「カフェのアルバイトで、常連のお客様が少しずつ減っていることに気づきました(課題)。忙しい時間帯ほど会話が減っていたため、よく来る方の好みや前回の会話をメモにまとめ、スタッフで共有する仕組みを提案しました(自分の行動)。その結果、お客様から『覚えていてくれてうれしい』と声をかけられることが増え、常連の方が再び通ってくれるようになりました(結果)。この経験から、相手の小さな変化に気づき、周りと共有して仕組みにすることの大切さを学びました(学び)。」 |

ステップ4|深掘りされても答えられるか確認する
書き上げたガクチカは、面接で深掘りされても答えられるかを確認しましょう。
面接官は「なぜ」「どうやって」と質問を重ねて内容を確かめるため、答えられない部分があると、嘘や盛りすぎを疑われてしまうからです。
確認するときは、次の質問に自分の言葉で答えられるか試してみてください。
確認する質問
- なぜその課題に取り組もうと思ったのか
- その方法を選んだのはなぜか
- 一番大変だったことは何か、どう乗り越えたか
- 周りの人はどんな反応だったか
- もう一度やるなら、何を変えるか
あわせて、「その場にいた友人やアルバイト仲間が読んでも、『たしかにそうだったね』と言える内容か」も確認しておくと安心です。
答えに詰まる部分や、周りが聞いたら首をかしげそうな部分があれば、事実に合わせて書き直しましょう。
| NG | OK |
|---|---|
| ESを書いたら確認せずに面接へ 文章を整えることに満足して、深掘りの準備をしないまま面接に臨む。「なぜその方法を選んだの?」と聞かれて言葉に詰まり、内容そのものを疑われてしまう。 | 声に出して答える練習をする 上の質問を自分で声に出して答えてみたり、友人やキャリアセンターに模擬面接をお願いしたりする。答えにくかった部分は、当時のメモや記憶を確認して書き直す。 |
すでに盛ってしまった・嘘をついた場合の立て直し方4選

すでに盛ってしまった場合も、今から事実に近づけていけば立て直せます。
「もう何社も同じガクチカで選考を受けてしまった」「内定先にも盛った話をしている」という4年生もいるかもしれません。
それでも、次の面接や内定後の面談から事実にそろえていけば、十分に間に合います。
多少の盛りなら言い方を直す、経歴に関わる嘘なら早めに訂正するなど、内容の程度に合わせて対応しましょう。

話した内容を書き出し、事実と違う部分を確認する
まずは、ESや面接で話した内容を書き出し、事実と違う部分を確認しましょう。
どこを盛ったのかを把握しないと、次の面接でまた話がぶれてしまうからです。
書き出したら、事実と違う部分を「盛り(表現を大きくした)」と「嘘(事実ではない)」に分けておくと、次の対応が決めやすくなります。
| NG | OK |
|---|---|
| 何を話したか覚えていないまま、次の面接に臨む | 企業ごとにESと面接で話した内容をメモし、「数字を大きくした」「役職を盛った」など、事実と違う部分に印をつける |
盛った数字は事実に近い表現に言い直す
盛った数字や表現は、次の面接から事実に近い言い方に直しましょう。
「約」「〇割ほど」などの表現を使えば、大きく話を変えずに事実に寄せられるからです。
| NG | OK |
|---|---|
| 「売上を2倍にした」と話してしまったため、次の面接でもさらに話を合わせ続ける | 「正確な数字は把握していないのですが、自分の担当時間帯の売上が上がったと店長から聞きました」と、事実として言える範囲で伝える |
経歴に関わる嘘は、早めに自分から訂正する
役職・資格・学歴など、経歴に関わる嘘は早めに自分から訂正しましょう。
こうした内容は書類や周囲への確認でわかるため、後からバレるほど信頼を大きく失うからです。
面接中であれば、その場で訂正するのが一番です。
面接後に気づいた場合は、採用担当者にメールで連絡しましょう。
すでに内定をもらっている場合も、入社前に自分から伝えるほうが、入社後に書類などで発覚するよりも信頼を損ないにくくなります。
| NG | OK |
|---|---|
| 「バレなければ大丈夫」と、内定後まで黙っておく | 「先ほど『代表を務めた』とお伝えしましたが、正確には幹事の一人として運営に関わっていました。訂正させてください」と正直に伝える |
訂正すると評価が下がるのでは、と不安に思うかもしれません。
しかし、採用担当者の中には「誇張を指摘したら素直に認めたので、選考に通した」という声もあります。
これから話す内容は、事実にそろえる
今後のES・面接・内定後の面談では、話す内容をすべて事実にそろえましょう。
選考が進むほど過去の発言と照らし合わされるため、事実にそろえておくことが一番の安全策になるからです。
| NG | OK |
|---|---|
| 企業ごとに少しずつ違う盛り方をして、どこで何を話したかわからなくなる | ステップ3で作った事実ベースのガクチカをもとに、どの企業にも同じ内容を話す |
内定取消しのリスクと対処法

内定取消しになるのは、学歴や資格などの重大な嘘がわかった場合です。
多少話を盛った程度で取り消されることは、ほとんどありません。
内定は法律上、労働契約が成立した状態とされており、企業は自由に取り消せるわけではありません。
最高裁の判例(大日本印刷事件)でも、取消しが認められるのは、内定時に知り得なかった重大な事実がわかり、取り消すことが社会的に妥当といえる場合に限られるとされています。

学歴・経歴詐称レベルの嘘は取消しの対象になる
大学名や学部、卒業の見込みなど、学歴や経歴に関わる嘘は内定取消しの対象になります。
企業は学歴や経歴を前提に採用を決めており、その前提が崩れると、信頼関係を保てないと判断されるからです。
例えば、卒業見込みがないのに「卒業予定」と伝えていた、在籍していない大学名を書いていた、といったケースです。
一般的に、内定時の誓約書には、「提出書類に虚偽があった場合」を取消し事由として定めており、卒業証明書などの提出で発覚すれば、取り消されても仕方のない状況になります。
資格・スコアの偽装は取消しの対象になる
持っていない資格や、実際より高いスコアを伝えることも、取消しの対象になりえます。
資格やスコアは客観的に確認できる情報で、採用や配属の判断材料になっていることが多いからです。
例えば
- 「TOEIC800点」と伝えていたのに実際は600点。
- 取得していない資格を「取得済み」と書いていた。
英語力を前提に配属を考えていた場合など、企業の判断に大きく影響する嘘ほど、重大と受け止められます。
多少の「盛り」では取消しにならないケースが多い
ガクチカのエピソードを多少盛った程度では、内定取消しになるケースは多くありません。
判例でも、取消しが認められるのは企業の判断を大きく誤らせるような重大な事実に限られているからです。
例えば、「アルバイトで売上アップに貢献した」の表現を少し大きくした、取り組んだ期間を少し長めに伝えた、といった程度なら、取消しの理由としては弱いと考えられます。
ただし、取消しにならないからといって問題がないわけではありません。
選考中にバレれば評価は下がりますし、入社後に「話と違う」と思われれば、信頼を取り戻すのに時間がかかります。
内定を取り消されたら、理由の確認と相談を
もし内定取消しを告げられたら、一人で抱え込まず、まずは取消しの理由を書面で確認しましょう。
そのうえで、次のような窓口に相談してください。
相談先の例
- 大学のキャリアセンター:企業とのやりとりや、今後の就活についても相談できる
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー:内定取消しが妥当かどうか、無料で相談できる
自分に非がある場合でも、取消しの理由や手続きが妥当かどうかは確認する価値があります。

まとめ|嘘に頼らないガクチカで安心して選考に臨もう

ガクチカで嘘をつく必要はありません。
すごい実績がなくても、自分の経験を正しく整理して伝えれば、十分に評価されるガクチカは作れます。
ガクチカを盛る就活生は少なくありませんが、採用担当者の約6割は嘘や盛った話に気づいた経験があり、深掘りの質問や書類から見抜かれることも多いのが実情です。
特に学歴や資格の嘘は、内定取消しにもつながります。
だからこそ、「書き出す→1つ選ぶ→課題・行動・結果・学びで書く→深掘りを確認する」の4ステップで、事実をもとにしたガクチカを作りましょう。
すでに盛ってしまった場合も、今から事実に近づけていけば立て直せます。
等身大の経験なら、どんなに深掘りされても自分の言葉で答えられます。
2年生は今の経験を積み重ね、3年生は事実をもとにガクチカを整理し、4年生はこれから話す内容を事実にそろえていきましょう。
どの学年からでも、嘘に頼らないガクチカは作れます。
「すごい経験がない」と悩んでいる人こそ、まずはやったことを書き出すところから始めてみてください。
